2021.2.2 容器機能

【次亜塩素酸水】保存容器・スプレーボトルの選び方と保存方法

【次亜塩素酸水】保存容器・スプレーボトルの選び方と保存方法

次亜塩素酸水は、手軽に扱うことができて高い除菌・消臭効果を発揮できることから、企業や学校・病院・飲食店・小売店・美容室などでも頻繁に利用されています。

次亜塩素酸水を活用したいけれども、保存方法や保存容器についてわからない方は多くいるでしょう。また、すでに次亜塩素酸水を活用している方でも、正しい容器で保存できている自信はあるでしょうか。

今回は、次亜塩素酸水の概要や特徴から、保存容器やスプレーボトルの選び方や適切な保存方法までを紹介します。次亜塩素酸水の機能性を損なわず、適切に保存したい方は、ぜひ参考にして下さい。

 

1.次亜塩素酸水とは?

次亜塩素酸水とは、主に殺菌剤として使用される次亜塩素酸を主成分とする薬剤の一種です。塩化ナトリウム水溶水(食塩水)や塩酸を電気分解することで生成されます。次亜塩素酸水は、厚生労働省に食品添加物としても認可されており、安全性が高いことから多方面で活用されています。

次亜塩素酸水は有効塩素濃度・ph値・生成方法などの違いにより、主に強酸性・弱酸性・微酸性の3種類に分類されます。

次亜塩素酸という名称が付く薬剤には次亜塩素酸ナトリウムもありますが、こちらは強アルカリ性の薬剤となり、酸性の次亜塩素酸水とは特徴が異なります。次亜塩素酸ナトリウムは殺菌剤・漂白剤として利用される薬剤であり、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)に塩素を加えて生成されることから、次亜塩素酸ソーダとも呼ばれます。

次亜塩素酸ナトリウムは、強アルカリ性であるため皮膚や粘膜にダメージを与えることから、手指の消毒に使用することは厳禁です。また、酸性の洗剤と混ぜると塩素ガスが発生する場合があり、金属腐食性も強いため、取り扱いが難しい薬剤となります。

次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムは、名称が似ていますが特徴も安全性も異なるため、取り扱う際には明確に両者を区別することが必須です。

 

2.【次亜塩素酸水】保存容器の選び方

除菌・消臭に効果的な次亜塩素酸水ですが、適切な保管を行わないとその機能性は失われてしまいます。特に、長期間保存したい場合は、保存に適した容器の選定や保管場所にも注意する必要があります。

ここでは、次亜塩素酸水の保存容器の選び方と、選定の理由について解説します。

 

2-1.金属製以外で「密閉性が高いもの」

次亜塩素酸水は時間の経過とともに徐々に塩素が分解されて、気化して塩素が抜けることで機能性を失ってしまいます。塩素の気化は空気に触れる部分が多いほど促進されるため、次亜塩素酸水を保存する場合は、原則として「完全密封」の容器を選択することが必須です。

また、次亜塩素酸水をより良い状態で保ちたい場合は、完全密封に加えて「ガスバリア性能(気体を遮断する性能)」を有する容器で保存すると、機能性を失わずに長期保存できます。

塩素が抜けてしまうと除菌・消臭といった機能性が失われてしまうため、次亜塩素酸水の保存は塩素の気化をいかに防ぐかが重要です。保存容器は必ず完全密封の容器を選びましょう。

 

2-2.暗所保管が難しい場合は「遮光性が高いもの」

次亜塩素酸水の保存は気密性だけでなく遮光性も重要となります。次亜塩素酸水は紫外線に弱く、日光(紫外線)に当たると分解されて機能性を失ってしまうためです。

基本的に紫外線の当たらない暗所保管を行うことで対策できます。しかし、暗所の確保が難しい場合や紫外線を完全に遮断することが難しい場合もあります。そのような場合は、遮光性の高い容器で保存して、紫外線のダメージから次亜塩素酸水を守るようにしましょう。

次亜塩素酸水を利用する場合は、遮光性に優れた容器を活用すると便利です。暗所での保管だけでなく、容器自体に遮光性があるため、持ち運びが発生した場合でも次亜塩素酸水の品質を保つことができます。

 

3.【次亜塩素酸水】スプレーボトルの選び方

次亜塩素酸水は除菌・消臭に優れた効果を発揮するため、使用する際にはスプレーボトルを活用すると、手軽に噴霧することが可能です。しかし、次亜塩素酸水は長期保存容器だけでなく、スプレーボトルを選ぶ際にもいくつかの注意点があります。

ここでは、次亜塩素酸水の使用に適したスプレーボトルの選び方について解説します。

 

3-1.フタの材質を含めて「遮光性が高いもの」

次亜塩素酸水は保存容器の選び方でも述べた通り、紫外線に弱い性質を持ちます。

次亜塩素酸水が分解される光は紫外線のみであり、室内の蛍光灯や白熱球の光では分解はされないため、室内での用途である場合は保存時ほど厳密に遮光する必要はありません。

すぐに使い切る場合やその場限りの使用である場合は、さほど留意しなくても良いでしょう。しかし、日常的に使い続ける場合は、除菌・消臭といった次亜塩素酸水の機能性を保つためにも、遮光性の高いスプレーボトルを選ぶようにしましょう。

遮光性の高い容器を用意することが難しい場合は、白色容器など光を透過しない容器で代替することが望ましいです。

 

3-2.金属製以外で「1回の噴射量が多いもの」

次亜塩素酸水は一般家庭用の濃度であっても、金属を溶かしたり腐食したりする効果をわずかながら持ちます。そのため、次亜塩素酸水が触れ続ける容器に関しては、念のため金属製以外の製品を使用しましょう。

また、次亜塩素酸水は有機物に触れると分解されやすい性質を持つため、多めに噴霧することで除菌・消臭効果を発揮しやすいという特徴を持ちます。そのため、スプレーボトルを選ぶ際は、金属製以外で遮光性があるという条件を満たした上で、1回の噴出量が多いボトルを選ぶと作業効率が大幅に向上します。

可能であれば、噴射角度や噴霧範囲といった点にもこだわると、使い勝手が良くなるためおすすめです。

 

4.次亜塩素酸水の適切な保存方法

次亜塩素酸水の保存は、適切な容器を選ぶだけでなく、保存方法についても注意する必要があります。紫外線を避けるため、遮光性のある容器を使用して暗所に保存することは既に述べている通りですが、適切に保存するためには温度にも気を配ることがポイントです。

次亜塩素酸水は温度が高いほど分解されやすくなるため、保存する際には35度以下の低温保存を行うと、分解反応を抑えて長期間機能性を保つことができます。可能であれば、温度の影響を受けない冷蔵庫に保存することが理想です。

ただし、次亜塩素酸水は低温であると除菌・消臭といった機能性が低下するため、日常的に使用する分量については常温で保管したほうが良いでしょう。次亜塩素酸水の保存は、保存期間や使用頻度を考慮して、ケースバイケースで考えることをおすすめします。

 

5.次亜塩素酸水に適した保存容器がほしいときは?

次亜塩素酸水の保存に適した品質の保存容器を探している方は、サンプラテックのWeb販売サイト「PLA.com」で購入することがおすすめです。

「PLA.com」では、さまざまな形状・大きさの遮光瓶を取り扱っており、次亜塩素酸水の使用量や用途に合わせて製品を選ぶことができます。また、遮光瓶の遮光レベルはUSP(アメリカ薬局方)基準に準拠しており、遮光レベル検証試験では透過率ほぼ0%という数値を達成しています。

次亜塩素酸水の保存容器として導入されている実績も豊富で、既製品以外にも特注による依頼を行うことも可能です。信頼できる遮光瓶をお探しの方は、ぜひサンプラテックの「PLA.com」をご検討下さい。

 

まとめ

次亜塩素酸水は便利で扱いやすいことが特徴ですが、紫外線や気化により除菌・消臭に有効な成分である塩素が抜けてしまうと、機能性は損なわれてしまいます。そのため、保存に使用する容器や保存方法には充分に注意をする必要があります。

サンプラテックの遮光瓶であれば、高品質で信頼性が高いため、安心して次亜塩素酸水を保存することができます。

企業や研究現場、店舗などで手指消毒に次亜塩素酸水を活用している、もしくは活用する場合は、ぜひ今回の情報を参考に、必要な条件を満たした容器で保存することを推奨します。

実験器具・機器メーカー販売サイト「PLA.com」