2021.10.1 容器機能

ポリ瓶とは?材質の特徴と代表的なポリ瓶・ポリ容器

ポリ瓶とは?材質の特徴と代表的なポリ瓶・ポリ容器

工場や研究室などの薬品を使用する場所では、薬品の保管容器として主にポリ瓶が使用されています。普段からポリ瓶を使用していても、そもそもポリ瓶とは何かを詳しくは知らなかったり、樹脂製容器全般の呼称だと思っていたりする人も多いでしょう。

ポリ瓶は樹脂製容器全般の呼称ではなく、あくまでも特定の樹脂で作られた容器の呼称です。本記事ではポリ瓶の材質や特徴を解説し、理化学分野で使用される代表的なポリ瓶もいくつか紹介します。

 

1.ポリ瓶とは?

ポリ瓶とは、ポリエチレンを材料にして作られた樹脂製容器のことです。ポリエチレンは安価に製造できる汎用樹脂であり、ポリエチレンで作られたポリ瓶も製品単価を安く抑えられます。

ポリエチレンの大きな特徴は、素材として安定していることです。とくにポリエチレンは耐薬品性に優れており、ポリ瓶はさまざまな薬品の保存容器として使用できます。吸水性が低いため、液体を保管したときに膨潤などの劣化も起こりません。

ポリエチレンには高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンの2種類があります。ポリ瓶の容器本体に使用されるポリエチレンは基本的に高密度ポリエチレンです。

高密度ポリエチレンで作られたポリ瓶は軽量でありながら衝撃に強く、耐熱性にも優れます。ただし、ポリ瓶はオートクレーブ対応ではない点に注意してください。

 

2.理化学分野で使用される主なポリ瓶

理化学分野で使用される主なポリ瓶には、いくつかのタイプがあります。形状は丸型・角型の2タイプで、口部は広口・細口の2タイプです。色は通常の乳白色と、遮光性が高い褐色の2タイプが存在します。

ここではそれぞれのポリ瓶について、容器の特徴を解説するため、ぜひ参考にしてください。

 

2-1.PE広口瓶

PE広口瓶

PE広口瓶は、スタンダードなポリ瓶の中でも広い口径寸法が特徴の製品です。PE広口瓶は、漏斗・薬さじ・スポイトといった器具を使用しやすく、薬品の出し入れを簡単に行えます。主に薬液や錠剤の保管に適した容器です。

PE広口瓶は20ml~10Lの11サイズが販売されています。100ml以上の製品は中栓・目盛付です。容器の中栓をしっかり閉めることで、持ち運び時に中身が漏れる心配はありません。

また、中栓のないサンプラ(R)クイックボトル広口も販売されています。薬品を使用する作業をスムーズに行いたいときは、中栓のない容器がおすすめです。

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2-2.PE細口瓶

PE細口瓶

PE細口瓶は、PE広口瓶と比べて細い口径寸法が特徴の製品です。PE細口瓶は、容器を傾けたときに中に入れた液体が少しずつ出てくる構造となっています。主に液体の薬品を保管して、薬液を一定量注いで使う用途に適した容器です。

PE細口瓶は30ml~10Lの10サイズが販売されています。30ml・50mlの製品は目盛・中栓がなく、蓋は透明性の高いポリプロピレン製です。クリアな蓋は、閉めたままでも中身を簡単にチェックできます。

なお、100ml以上の製品は中栓・目盛付で、蓋はポリエチレン製です。

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2-3.角瓶C型(広口タイプ)

角瓶C型(広口タイプ)

角瓶C型(広口タイプ)は、四角いポリタンク形状の広口ポリ瓶です。ポリタンク形状の容器は収納性がよく、収納棚などの限られたスペースを有効に使えます。主に液体の薬品を保管する用途に適した容器です。

角瓶C型(広口タイプ)は1L・2Lの2サイズが販売されています。どちらのサイズも液漏れを防げるシール性が高いパッキン付で、中栓はありません。大容量の容器を取り出して、中の薬品をスムーズに使いたいときにおすすめの容器です。

また、同じポリタンク形状の容器は、細口タイプで中栓付の角瓶B型も販売されています。

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2-4.PE広口遮光瓶

PE広口遮光瓶

PE広口遮光瓶は、高い遮光性を持つ褐色の容器本体・蓋が特徴的なポリ瓶です。PE広口遮光瓶の遮光性は、波長が約220nm~800nmの光を透過率がほぼ0%に抑えることができます。次亜塩素酸水などの光に弱い薬品を保管する用途に適した容器です。

PE広口遮光瓶は100ml~10Lの8サイズが販売されています。いずれの商品も表面に目盛があり、白の中栓付です。5L・10Lのサイズには紐を通せる穴が付いているほか、持ち運びに便利な取手付のPE取手付広口瓶も販売されています。

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3.取手・コック付のポリ瓶

大容量のポリ瓶を使用して、容器の持ち運びや薬品の取り出しで苦労した経験がある人は多いでしょう。

容量が何十Lもある容器の持ち運びは大変で、手を滑らせると容器・内容物の破損や事故にもつながります。薬品を取り出すときも、底をさらうように器具を動かすと手が汚れることも少なくありません。

大容量のポリ瓶を購入するときは、持ち運びや薬品の取り出しに便利な取手・コック付の製品がおすすめです。ここでは、取手・コック付のポリ瓶を2つ紹介します。

 

3-1.PE広口下口活栓付瓶

PE広口下口活栓付瓶

PE広口下口活栓付瓶は、ポリ瓶の容器下部にポリプロピレン製の活栓コックが付いた製品です。活栓コックは赤いパーツをひねることで開閉ができ、簡単に薬品の取り出しができます。一定量の薬品を素早く取り出したり、薬品を小分けしたりするときに便利な容器です。

PE広口下口活栓付瓶は5L~20Lの3サイズが販売されています。5L・10Lの2サイズは、遮光仕様である褐色の容器も選択可能です。器具洗浄に使用する次亜塩素酸水などの光に弱い薬品を入れておき、小分け容器に適宜充填する使い方もできます。

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3-2.PE取手付広口下口活栓瓶

PE取手付広口下口活栓瓶

PE取手付広口下口活栓瓶は、ポリ瓶の容器上部に取手、容器下部に活栓コックが付いた製品です。取手・活栓コックはいずれもポリプロピレン製で、活栓コックは赤いパーツをひねるだけで開閉ができます。保管場所から容器を持ち運び、薬品の取り出しをするときに便利な容器です。

PE取手付広口下口活栓瓶は5L・10Lの2サイズが販売されていて、遮光仕様である褐色の容器も販売されています。乳白色・褐色の容器ともに、5Lサイズは取手が片手、10Lサイズは取手が両手です。入れたい薬品の量と重さを考えて、購入するサイズを選んでください。

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4.帯電防止作用のあるポリ瓶

通常のポリ瓶は研究現場などで60年以上使用されており、高い信頼性があります。しかし、温暖化による地球の乾燥化や、火災・爆発を対策する防爆への意識向上から、近年では帯電防止仕様のポリ瓶が新しく誕生しました。

帯電防止仕様のポリ瓶は年々需要が高まっており、さまざまなメリットがある容器です。ここでは、サンプラテックが販売する帯電防止作用のあるポリ瓶を紹介します。

■サンプラ(R)帯電防止PEボトル広口

サンプラ(R)帯電防止PEボトル広口

サンプラ(R)帯電防止PEボトル広口は、通常のポリ瓶に帯電防止機能を持たせた製品です。容器に特殊なポリマー型帯電防止剤を使用しており、長期的な帯電防止効果があります。

サンプラ(R)帯電防止PEボトル広口を使用すると、下記のような静電気による悩みに対処が可能です。

  • 容器に入れた粉体が、容器の内側に付着する
  • 静電気が内容物に影響を与える
  • 容器に塵が付着する

サンプラ(R)帯電防止PEボトル広口は、容器自体に帯電防止の機能を持たせることで、静電気による内容物への影響を防止できます。研究・製造時におけるコンタミネーション対策の容器としてもおすすめです。サンプラ(R)帯電防止PEボトル広口は100ml~1Lの4サイズが販売されています。

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まとめ

ポリエチレンで作られたポリ瓶は、軽量ながら強度が高く、耐薬品性に優れるなど多くのメリットがある容器です。理化学分野では、スタンダードモデルのPE広口瓶・PE細口瓶を中心に、角型や褐色の遮光瓶も使用されています。取手・コック付や、帯電防止作用のあるポリ瓶も便利な容器です。

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