プラスチック容器の形状の選び方!形状別の樹脂製容器も紹介
樹脂製容器は、ガラスに比べて破損しにくく低コストで調達できるうえ、様々な形状・サイズ・材質などがあるため、理化学分野の研究・製造に広く使用されています。しかし、種類が多い分、それぞれの違い・使い分け・自身の研究分野への適合性に疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。
この記事では、樹脂製容器の形状の選び方と、理化学分野で活用できる樹脂製容器を6つの形状別に紹介します。樹脂製容器の形状選びに悩む方は、ぜひ参考にしてください。
1.プラスチック容器の形状の選び方
実験や薬品の保管に使う樹脂製容器には様々な形状があり、その中から用途に適した容器を選ぶ必要があります。樹脂製容器の形状に迷った際、まずは次の2つのポイントに着目して絞り込みましょう。
【ポイント1:容器に入れる物】
樹脂製容器に入れる物の状態や性質によって、適切な容器の形状が異なります。内容物の状態に適した形状の例は下記のとおりです。
内容物 | 容器の形状 |
---|---|
液体 | 細口や広口の丸形・角型のボトルやタンク |
固体・顆粒 粉体・ペースト | 広口の円筒容器 |
なお、薬剤・溶剤を入れる際は耐薬品性を確認する必要があります。
【ポイント2:容器に入れる量】
樹脂製容器に入れる物の量によって、適切な形状が異なります。容量に適した形状の例は下記のとおりです。
容量 | 容器の形状 |
---|---|
少量 | 1L以下の小さなサイズのボトルや円筒容器 |
大容量 | 2L以上の大容量ボトル・角型タンク |
運搬を伴う場合は、容量にかかわらず細口ボトルの方が液漏れ防止の点から適しています。
2.【形状別】理化学分野のプラスチック容器
ここでは、理化学分野の研究・製造に活用できるおすすめの樹脂製容器を、6つの形状ごとに3点ずつ、合計18点紹介します。内容物・容量に適した樹脂製容器の形状を絞り込んだうえで、購入を検討している方や、商品選びに迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
2-1.丸型
丸型のボトル容器は、薬液や粉体の保管容器から、製品用ボトルまで幅広い分野・用途に活用できます。
■サンプラ(R)PPボトル広口
「サンプラ(R)PPボトル広口」はPP(ポリエチレン)製のボトルです。PPの中でも特に透明性の高いグレードを使用しており、耐熱性・耐薬品性にもすぐれています。広口で中栓のない仕様のため、作業性も抜群です。容量は20ml~2Lの8タイプの展開で、滅菌や着色などのオプションにも対応しています。
商品詳細を見る■PE広口瓶
「PE広口瓶」は、最も歴史のある樹脂製ボトルのスタンダードモデルです。汎用性の高いPE(ポリエチレン)を使用しているため、高性能なボトルを低コストで使用することができ、実験室から化学工場まで幅広い場面で活躍しています。容量は20ml~20Lの11種で、遮光タイプもあります。大容量の5L、10Lのボトルには運搬しやすい取手付きのモデルです。
商品詳細を見る■サンプラ(R) PFAボトル GL45
「サンプラ(R) PFAボトル GL45」は、フッ素樹脂の一種であるPFA製のボトルです。耐薬品性と耐熱性、純粋性に優れた肉厚仕様です。口部は、GL45に対応しており、他社のGL45キャップやGL45ポート付キャップとの互換性があるため、幅広い用途に使用可能です。容量は500mlと1Lmの2種類があります。
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2-2.角型・タンク
角型・タンクの樹脂製容器は、液体を保管する際に活躍します。丸型に比べ無駄なスペースを削減できるため、狭い場所での保管に最適です。また、安定性があり、取っ手がついている物もあるため、運搬時の容器としても適しています。UN規格対応の容器が多くあることも特徴です。
■角瓶A型
「角瓶A型」は、角型タイプで省スペースに優れたPP樹脂製ボトルです。透明性が高く、液量がひと目でわかる目盛りが付いており、容量は50ml~1Lの5種展開となります。なお、キャップと中栓はPE製(キャップ:HDPE・中栓:LDPE)です。
商品詳細を見る■ブックボトルコック付
「ブックボトルコック付」は、収納性に優れた角型PPボトルです。本のような形状の透明ボトルに、活栓コックが取り付けられているため、収納棚に並べたまま内容液の小分け作業をすることができます。容量は、5Lと10Lの2種類です。
商品詳細を見る■タマカン
「タマカン」は、角型の大容量ポリタンクです。国際的な容器検査基準を満たし「UNマーク」を取得した安全性の高い商品であり、危険物や液体原料の運搬や輸送にも適しています。耐薬品性に優れたPEを使用しているほか、ブロー成型(中空成型)による一体成型であるため表面に継ぎ目がなく、破損や内容物の残留を防止できます。
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2-3.円筒容器
円筒容器は、ペースト状の物質など、粘性の高い薬液の保管や運搬に活用できます。また、起伏のない寸胴の形状は、内容物を取り出しやすいため、ロスの削減も可能です。
■サンプラ(R)容器
「サンプラ(R)容器」は、PE製の円筒容器です。中栓が付いているため、粉体・粘度の高いペースト状物質の保管に適しています。容量は105ml~1.1Lの8種となっています。
商品詳細を見る■サンプラ(R)ベッセル
「サンプラ(R)ベッセル」は、中栓が付いたPE製の円筒容器です。PP製のフタには取っ手が付いており、運搬にも適しています。容量は3.5Lのみで、ロット注文により着色や表面への印刷も可能となります。
商品詳細を見る■ハイパック容器
「ハイパック容器」は、中栓付きのPP製の円筒容器です。フタは平面形状であるため、積み重ねて保管することが可能です。密閉性が高く、様々な化合物を混合させた液晶材料の保存・運搬にも利用されています。容量は1Lと1.5Lの2種です。
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2-4.大容量
大容量の樹脂製容器は、10L以上の汎用薬品や工業薬品などの保管・運搬用に適しています。
■PE広口大型瓶 20L
「PE広口大型瓶 20L」は、容量20Lの大型PE製ボトル(ポリ瓶)です。左右の上部に持ち手用の凹みがあるため、持ち運びの際にも便利です。サイズは直径290mm・高さ445mmで、側面には目盛りが付いています。
商品詳細を見る■サンプラ(R) ラボテナー
「サンプラ(R) ラボテナー」は、中栓付大容量ポリタンクです。細口と広口の2タイプと4~30Lの5種の容量があります。細口は内口径51~52mm程度、広口は内口径96mmです。用途や、注ぎ口の大きさなどに合わせて商品を選ぶとよいでしょう。
商品詳細を見る■ETFE広口大型回転成型容器(広口)
「ETFE広口大型回転成型容器(広口)」は、フッ素樹脂の一種であるETFE製の大容量広口ボトルです。ETFEは、機械的強度・電気絶縁性・耐放射線性などに優れており、類似した素材であるPTFEに比べて耐熱性も高いことが特徴です。一般的に廃液タンクなどとして活用されています。なお、キャップはPE製です。
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2-5.カップ
樹脂製カップは、簡易計量や薬液混合用の容器として、研究所・医療現場・工業など、幅広い場面で使用されています。ただし、樹脂製カップは変形・伸縮しやすい性質であるため、正確な計量が必要な場合は、ビーカーなどを使用することがおすすめです。
■PPディスカップ
「PPディスカップ」は、撹拌・調合用に便利なPP製使い捨てカップです。耐薬品性・耐熱性(121℃まで)に優れています。透明度が高く側面に目盛りが付いているため内容量や色もわかりやすいです。薬品の調合・撹拌のほか、薬品を凝固させ破棄処理する際にも役立ちます。
商品詳細を見る■サンプラ(R)カップ(ニューディスカップ)
「サンプラ(R)カップ(ニューディスカップ)」は、注ぎ口付PP製カップです。両側目盛で計量しやすく、液残りが少ないという特徴があります。また、オートクレーブが可能で再利用もできるうえ、積み重ねられるため保管場所にも困りません。
商品詳細を見る■ポリディスカップ
「ポリディスカップ」は、PE製ディスポーザブルカップです。PE製カップは、PP製のカップに比べて柔らかいため、内容液を注ぐ際に口元を作りやすいことが特徴です。用途や場面に合わせて材質・透明度・堅さ・注ぎ口の有無を変更することが可能です。
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2-6.洗浄瓶
洗浄瓶は、研究現場やものづくりの現場で、薬液の注入や器具の洗浄に使用する、樹脂製容器です。円筒状の柔らかいボトルを押すことで、内容液を噴射できます。
■マルチ洗瓶
「マルチ洗瓶」は、ボトルと直線状のノズルからなる従来の洗浄瓶に、改良を加えた洗浄瓶です。ボトル内のノズルはジャバラ状になっており、先端には錘のビー玉が取り付けられています。そのため、容器を傾けたり、逆さにしたりしても継続的に内容液を噴射することが可能です。
商品詳細を見る■エコノ角型洗浄瓶
「エコノ角型洗浄瓶」は、角型ボトルの洗浄瓶です。角型ボトルは丸型ボトルに比べて反復作用が早く、手の小さな方でも扱いやすいでしょう。また、内容液の注入が容易な広口であるほか、無駄なスペースを取らない角型であるというメリットもあります。
商品詳細を見る■KUBIREジャージャー洗瓶
「KUBIREジャージャー洗瓶」は、ボトルキャップにシャワー穴が空いた洗浄瓶です。内容量は1Lと、比較的重量がありますが、ボトル本体にくびれがあり握りやすい形状です。また軽い力で押すだけで、大量のシャワーが噴出するため、面積の広い用具の洗浄や、作業時間を短縮したい場合におすすめです。
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まとめ
理化学分野で使用する樹脂製容器には、様々な形状があり、用途によって適した容器を選ぶ必要があります。液体・粉体・ペーストなど内容物の状態のほか、容量や用途は、容器の形状を選ぶ判断材料となるでしょう。
「IREMONO」は理化学分野の実験・研究・製造現場で使われる樹脂製ボトル容器に関する専門サイトです。樹脂製ボトル容器の用途や材料となる樹脂の種類などの情報が充実しているため、ぜひ情報収集などにご活用ください。