2021.11.1 IREMONOニュース

プラスチックとバイオプラスチックの製造方法!バイオプラ容器も紹介

プラスチックとバイオプラスチックの製造方法!バイオプラ容器も紹介

プラスチックは、日常生活ではもちろん、実験・研究開発の場や化学工場などでも、薬品などの保存容器やサンプリング容器、小分け容器などの素材として使用されています。

一方で、従来のプラスチックは化石資源由来であることから、枯渇性資源の問題や、プラスチックにおける3Rの問題などが課題として挙げられており、クリーンなプラスチックとして「バイオプラスチック」の注目が非常に高まっています。

この記事では、プラスチックとバイオプラスチックの製造方法、および理化学分野での使用に最適な「バイオポリエチレン製の容器・ボトル」についても紹介するため、ぜひ参考にしてください。

 

1.プラスチックの製造方法

合成樹脂とも呼ばれるプラスチックは、石油などを原料として化学的に製造された、水素・炭素・酸素からなる高分子化合物です。

熱硬化性樹脂・熱可塑性樹脂の2種類に分かれ、日常生活や産業分野ではもちろん、薬品・試薬などの保管容器としても広く使用されています。

以下では、プラスチックの製造方法・流れについて解説します。

 

1-1.STEP1:原油からナフサを作る

プラスチックの原料は、石油精製工場で原油を蒸留して取り出された「ナフサ」です。原油は、ナフサ以外にも「ガソリン」「灯油」「軽油」「重油」「アスファルト」に分けられ、それぞれの用途に使用されます。

取り出したナフサは、さらに熱を加え、エチレン・プロピレン・ブタジエン・ベンゼン・トルエン・キシレンなどに分解します。

 

1-2.STEP2:ナフサからペレットを作る

ナフサから分解した石油化学基礎製品は、ポリエチレン・ポリプロピレンなどのプラスチック原料にするために、重合を行います。

その後プラスチック原料は、加工しやすいように添加物が加えられられ、3~5mm程度の粒状に成型します。この状態になった素材が「ペレット」です。

ペレットは、各工場で加工され、プラスチックや合成繊維・合成ゴム・塗料などに製品化されます。

 

1-3.STEP3:成型・加工を加える

ペレットは、成型機を使用して成型・加工を行います。特に、理化学分野で使用されるボトル・容器は、複雑な形状の成型が可能な「ブロー成型」や「インジェクション成型」などが用いられることが多いです。

ブロー成型・インジェクション成型に関しては、以下の記事で詳しく解説しているため、併せて参考にしてください。

 

2.バイオプラスチックの製造方法

バイオプラスチックとは、「生分解性プラスチック」と「バイオマスプラスチック」の総称です。地球温暖化問題・海洋プラスチックごみ問題など、プラスチックに起因する諸問題への対応策として、日本だけでなく世界で普及が進められています。

バイオプラスチックに関して、より詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

以下では、バイオプラスチックの製造方法を紹介します。

 

2-1.糖原料の場合

糖原料では、サトウキビ・トウモロコシ・キャッサバなどが使用されます。

例えばポリエチレンを製造する際、従来では「石油→ナフサ→エチレン→ポリエチレン」という流れですが、サトウキビ由来の場合は、「サトウキビ→シュークロース(二単糖)→エタノール→ポリエチレン」という流れで製造が可能です。特に「ポリ乳酸」などが目的化学品となる場合は、糖を原料として製造することが多い傾向です。

再生可能なバイオマス資源が原料であるため、化石資源への依存度低減に繋がります。

また、バイオプラスチック製品の焼却で二酸化炭素が排出されたとしても、原料となる植物は成長段階で二酸化炭素を吸収しているため、CO2排出量は実質ゼロとみなすカーボンニュートラルを実現できます。

 

2-2.油脂原料の場合

油脂原料の場合は、パームヤシ・大豆・ヒマなどを使用し、搾油過程を通じて、バイオプラスチックを製造します。

一方で、インドネシアやマレーシアなどでは、パーム由来の廃棄物が非常に多く、社会問題となっていました。そのため現在では、油を採取した後のパーム殻や、伐採後のパームの木の樹幹なども、バイオプラスチックの主要素材として使用されています。

 

2-3.非可食原料の場合

非可食原料では、バカス(サトウキビ搾汁後の残渣)や稲わら、ネピアグラスなどの植物が使用されます。糖原料と同じく、グルコース・キシロースなどの糖が炭素源です。

可食原料・油脂原料の場合は、石油由来のプラスチックよりもやや価格が高くなりやすく、食料との競合を引き起こすことも問題視されていました。そのため、よりクリーンな原料として、広く使用され始めています。

 

3.バイオポリエチレン製の容器・ボトル

以下では、理化学分野での使用に適した「バイオポリエチレン製の容器・ボトル」を紹介します。

実験・研究や製造現場、品質検査などで使われるプラスチック製のボトルやカップについて、バイオポリエチレン製でも用途・目的に問題がない場合は、バイオポリエチレン製に切り替えることでSDGsやCSR活動の一環となります。

そのため、「環境対策に配慮していきたい」「循環型社会の実現に貢献していきたい」と考える研究機関や企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

※なお、ここで紹介するバイオポリエチレン製の製品は、「バイオマスプラスチック」であり、生分解性プラスチックではありません。

 

3-1.サンプラ(R) バイオプラ PE広口ボトル

サンプラ(R) バイオプラ PE広口ボトル

サンプラ(R) バイオプラ PE広口ボトルは、サトウキビ由来のバイオポリエチレンを素材として使用した、乳白色のボトルです。石油由来のPEボトルと性能は変わらないため、耐熱性や耐薬性などの影響により使用方法を再検討する必要なく、切り替えることが可能です。

通常のPEボトルからバイオプラPEボトルに切り替えることで、CO2の排出量を最大80%削減可能です。脱炭素社会の実現に向けて樹脂製容器の変更・買替を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。

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3-2.サンプラ(R) バイオプラ PEディスカップ

サンプラ(R) バイオプラ PEディスカップ

サンプラ(R) バイオプラ PEディスカップは、同じくサトウキビ由来のバイオポリエチレンを使用したディスポーザブルカップで、100ml・500ml・2Lの3種類を取り扱っています。

こちらも、従来のPEディスカップと性能は変わらないため、現状の使用方法のままバイオポリエチレン製のディスカップに切り替え可能です。

サステナビリティ持続のための企業活動は、ステークホルダーへの責任を果たすために重要となる、CSR活動の一環です。現在、通常のポリエチレン(PE)や、ポリプロピレン(PP)製のディスポーザブルカップを使用している場合は、ぜひ利用を検討してみてください。

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まとめ

通常、プラスチックは石油などの原油からナフサが精製され、ナフサからエチレン、ポリエチレンが作られます。一方で、バイオプラスチックの中でも、バイオマスプラスチックは、原料が非石油由来であることから、地球温暖化の防止・環境負荷の軽減にも貢献するとして、現在、普及が急速に進んでいます。

また、IREMONOサイトでは、樹脂製容器の機能紹介や、樹脂にまつわるコンテンツを多数公開しています。 実験・研究・製造現場で使用する樹脂製容器を探している方は、ぜひチェックしてみてください。

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