透明の樹脂製容器おすすめ11選|PS・PET・PP・PFA別に紹介!
樹脂には多くの種類があり、一口に「透明な樹脂」といってもPS・PET・PP・PFAなど種類によって特性が異なります。そのため樹脂製容器を使用する際も、実験内容や用途に合わせて、適切なものを準備することが大切です。
当記事では、理化学分野におすすめの樹脂製容器を、PS・PET・PP・PFAの4種類別に計11製品紹介します。各樹脂の特徴や透明度の違いも解説しているため、透明の樹脂製容器を探している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1.【ポリスチレン(PS)】透明容器おすすめ3選
ポリスチレン(PS)には透明の汎用ポリスチレン(GPPS)と、GPPSにゴム成分を加えた白色の耐衝撃ポリスチレン(HIPS)があります。
透明容器に使われる汎用ポリスチレンは表面硬度が高く、ガラスと同程度の透明性が特長です。また、酸・アルカリなどへの薬品耐性にも優れており、成形収縮が小さいため寸法精度も安定しています。一方で、耐衝撃性や耐熱性は低く、有機溶媒類で軟化しやすいため注意してください。
1-1.サンプラ(R)クリアー広口ボトル
「サンプラ(R)クリアー広口ボトル」は、中栓なしでも液漏れがない広口瓶で、耐熱温度は60℃です。プラスチック可塑剤および酸化防止剤などは使用していないため、食品用から医療用まで幅広い現場で使用できます。
また、パラフィン油・中性液体洗剤・グリセリン・塩酸(10%)などに優れた薬品耐性がありますが、アセトン・ガソリン(レギュラー)類には使用できません。
1-2.スチロール角型ケース
「スチロール角型ケース」は、PS製の蓋付ケースです。豊富なサイズ展開を行っているため、試料の保管・半導体部品や基盤・チップなどの移送、各種サンプルケースとして、多様なニーズに応えることが可能です。例えば、外寸法(mm)で65×34×18の小さなケースや、197×117×71、204×75×67のケースなどと、大きなケースも取り扱っています。
また、その使い勝手の良さから、理化学分野だけでなく、標本保管・工作作品の収納用など、一般の方にも様々な用途で使用いただいています。
1-3.スチロール容器A型(押蓋式)
「スチロール容器A型(押蓋式)」は、容量5mlから500mlまで幅広く展開する押蓋式の透明容器です。最もスタンダードな実験室用サンプル容器として、理化学分野の現場で多く使用されています。
一般の方の中には、水彩画の特殊溶液を入れたり、 自作のソーラーライト用容器として使用したりする方もおり、様々な場面で活用可能です。
2.【ポリエチレンテレフタレート(PET)】透明容器おすすめ3選
ポリエチレンテレフタレート(PET)は、いわゆる「ペットボトル」に使用されている、透明性が高い素材です。
耐衝撃性・耐熱性・耐寒性・耐薬品性に優れ、特に耐熱性に関しては、熱変形温度が約260℃、連続耐熱温度が約150℃と高い性質を示します(ただし、ペットボトルを除く)。
また、日常で使用されている透明のPET製容器としては、「たまごのパック」などが挙げられます。
2-1.分注瓶(スプレー式)
「分注瓶(スプレー式)」は、容器部分が透明かつ、スプレー仕様である分注瓶です。保存した内容物の色や粘度が見やすいだけでなく、吹き出し口はキャップで保護できるため衛生面にも配慮されています。そのため、アルコール消毒液の保管も可能です。
ほかにも、PET製であるポンプ式の分注瓶も扱っているため、ぜひ併せてご参考ください。スプレー式は、50mlから500mlまでの4種類、ポンプ式は3種類を取り扱っています。
2-2.ダイヤカップ
「ダイヤカップ」は、透明性が高い広口の丸形容器で、内容物の出し入れがしやすい点が魅力です。素材は、本体がPET製・蓋がPP製となっています。
蓋は白色で透明ではないものの、スクリュータイプの構造であるため、密閉性が高い点も特徴です。容器の容量は、136mlから300mlまでの4種類を取り扱っています。
2-3.PET角型ケース(A4サイズ)
「PET角型ケース(A4サイズ)」は、試料・標本・部品の保管に適した、蓋・本体ともに透明である角型ケースです。小間が複数あり、パレット状に横に連なった形状となっています。
A4サイズで収納がしやすく、積み重ねて保管しやすい点が大きな魅力で、小間の内寸は6種類から選べるほか、小間なしの製品も提供しています。
3.【ポリプロピレン(PP)】透明容器おすすめ3選
ポリプロピレン(PP)は、透明度はPETより低いものの、樹脂の中でも特に軽量な樹脂です。
「ヒンジ特性」に優れている(折り曲げに強い)・傷がつきにくい・生体への適合性が良い、などの特徴があり、食器・食品容器や医療部品にも使用されます。
3-1.サンプラ(R)PPボトル細口
「サンプラ(R)PPボトル細口」は、中栓がないタイプの樹脂製容器です。PP製ながら透明度が高い点が特徴で、耐熱性・耐薬品性にも優れています。
また、オートクレーブにも使用できることから、多くの研究室・開発現場で使用されている製品です。容量は、30mlから2Lまで全7種類を取り扱っています。
3-2.PPディスカップ
「PPディスカップ」は、塗料業界・化学薬品メーカーなどで多く使用されている、PP製のディスポーザブルカップです。121℃のオートクレーブも可能であることから、滅菌処理をしたうえで、廃棄できます。
また、サンプラテックのPPディスカップは、様々な場面での利便性を追求した設計が特徴です。そのため、ディスポーザブルタイプでありながら安定感があり、内容物を安心して注げます。撹拌・調合用にも重宝するでしょう。
3-3.ブックボトル
「ブックボトル」とは、収納性に優れた透明の角型ボトルです。本のような形状になっており、収納棚に立てた状態で並べて収納できます。また、薬液の詰め替えになど便利なコック付のブックボトルも取り扱っております。
容量は、ブックボトルが500ml~10L、コック付が5Lと10Lの2種類あり、ボトル本体はオートクレーブが可能です。キャプと中栓はPE製のためご注意ください。
また、保存可能な薬剤に関しては「耐薬ゼミ」で確認できます。
4.【フッ素樹脂(PFA)】透明容器おすすめ3選
フッ素樹脂とは、約-196℃~260℃の条件下でも使用可能な、高い耐熱性と耐寒性を持つ樹脂です。
この記事で紹介するPFAのほかにも、PTFE・ETFE・PVDFなど、様々な種類があり、化学薬品・医薬品の製造工程から、自動車・電気部品まで、広く使用されています。また高温・高濃度の酸やアルカリ、有機溶媒にも耐性があるため、容器としても重宝する樹脂です。
4-1.サンプラ(R)PFA広口ボトル(中栓なし)
「サンプラ(R)PFA広口ボトル(中栓なし)」は、高い品質規格を満たす樹脂製容器です。米国薬局方USPクラスⅥに準じた試験で、クラス6の認可を受けています。
なおサンプラテックのPFAボトルは、最新の検査機器を用いて、1点ずつ検査・個包装しているため、高い品質を保持している点が特徴です。また、金属の溶出も極めて微量であることから、高純度試薬の保存用にも適しており、バイオ・薬品業界などで広く利用されています。
4-2.サンプラ(R)PFA細口洗浄瓶
「サンプラ(R)PFA細口洗浄瓶」は、本体・フタ・ノズルの全てがPFA製の洗浄瓶です。
純水・蒸留水はもちろん、有機溶媒からアルコール類・強酸や強アルカリまで、幅広い薬液を入れることができるため、生化学分野でも活用されています。また、耐熱温度は260℃であるため、オートクレーブ・乾熱滅菌も可能です。
4-3.サンプラ(R)PFAボトルGL45
「サンプラ(R)PFAボトルGL45」は、口部がGL45規格に準拠した樹脂製容器です。
蓋の性能に優れているだけでなく、通常のPFAボトルよりも肉厚の形状であることから、強酸・強アルカリや有機溶媒の保管にも適しています。なお、サイズは500mlと1Lの2種類を取り扱っています。特に1Lタイプは、実験現場で扱いやすいよう、側面の2箇所に溝形状を施している点が特徴です。
まとめ
透明の樹脂製容器と一口に言っても、使われている樹脂の種類によって、透明度や耐性のある薬品の種類、使用可能な温度条件は異なります。用途や目的を踏まえ、適切な素材と形状の容器を選ぶことが大切です。
IREMONOサイトでは、実験・研究・製造現場の樹脂製容器専門サイトとして、樹脂製容器の特徴や、理化学分野で使用するボトルの情報を詳しく掲載しています。性能がよく、手ごろな価格で樹脂製容器を購入したい方は、ぜひ参考にしてください。