プラスチック製ボトル・容器のオーダーメイド|特注事例も紹介
薬品や材料の保存・運搬などに使用されるプラスチック製ボトルは、研究・製造・開発分野において欠かせない備品のひとつです。しかし、規格品では目的に合わなかったり、使い勝手に問題がある場合も少なくないでしょう。そのようなときにおすすめの方法が、使用目的や用途に適したボトル・容器の製作を依頼するオーダーメイドです。
当記事では、樹脂製容器のオーダーメイドの概要・対応範囲・実際の事例について解説します。
1.【項目別】プラスチック製ボトル・容器のオーダーメイドでできること
ものづくりなど製造・生産現場などで使用するのに適切なプラスチック製のボトルや容器が規格品で見つからない場合は、オーダーメイドで目的や用途に合う仕様・形状の製品を作ることができます。
オーダーメイドの樹脂製容器を注文する際のフローは、以下のとおりです。
(1)要望・仕様・見積もりのお問い合わせ | お客様 |
(2)製品企画・設計・お問い合わせ回答 | サンプラテック |
(3)仕様確認・発注 | お客様 |
(4)納期連絡・製作・検品・出荷 | サンプラテック |
(5)納品確認 | お客様 |
ここからは、プラスチック製理化学機器・用品メーカー「サンプラテック」が行っているプラスチック製ボトルのオーダーメイドについて、どのような特注に対応できるのか詳しく説明します。
1-1.容器開発
サンプラテックでは、オリジナルの金型を作成できるため、お客様が希望する形状の容器を開発することが可能です。サンプラテックが得意とするブロー成型・インジェクション成型を組み合わせ、目的や用途に合わせた仕様・形状のボトル・容器に仕上げます。
60年以上の経験と実績のある優れた成型技術を有しているため、金型から樹脂製容器を開発できることは、サンプラテックのオーダーメイドにおける大きな特徴のひとつです。
1-2.容器加工
本体やキャップへの穴あけ・ボス加工・コック取り付け・バルブ取り付けなど、サンプラテックのオーダーメイドではさまざまな加工に対応することも可能です。加工が必要となる仕様の特注でも、少量から注文を受け付けています。
また、既存容器に対する二次加工も承っており、1個からの依頼にも対応しています。規格品に二次加工を施す場合、金型から開発するよりもコストを抑えられるため、「サイズや形状に問題はないが利便性が悪い」という際はサンプラテックに容器加工をご依頼ください。
1-3.着色
樹脂にマスターバッジを混合し成型することで、着色や特定の機能を付与することが可能です。サンプラテックでは、遮光目的・識別目的など、用途に合わせた着色の要望にも応えることができます。
オーダーメイドのプラスチック製ボトルはもちろん、既存容器の着色依頼にも対応しています。規格品の場合、着色マスターバッジを配合して成型します。現在使っている遮光瓶や着色済み容器では目的・用途に合致しない場合は、サンプラテックに着色をご相談ください。
1-4.シルク印刷
シルク印刷により樹脂製のボトルや容器の本体にプリントができます。また、注文ロットに応じて既存容器にもシルク印刷で会社名や製品名を入れることが可能です。シルク印刷とは、スクリーン版を印刷版に用いる印刷方法で、以下のような特徴があります。
- 印刷版を作成するコストが比較的安価である
- ロゴや名前入れなどのシンプルなデザインに適している
- 色ごとに印刷版を用意して単色ずつ印刷する
「シルク印刷は平面にしかできない」と考えている方もいますが、サンプラテックでは平面に限らず丸型ボトルなどの曲面にも印刷することが可能です。一度作成した印刷版は繰り返し使用できるため、ロット数に応じてプリントできます。
1-5.フッ素化処理
プラスチック製ボトル・容器のガスバリア性や耐薬品性を高めたい場合は、容器内外の表面にフッ素化処理を施すことで実現できます。フッ素化処理の工程は、以下のとおりです。
(1) | 基材検査 |
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(2) | 脱脂(空焼き) ※材質・形状によっては溶剤洗浄を行う |
(3) | 粗面化(ブラスト) ※材質によってはサンドペーパーを使用する |
(4) | プライマー塗布・乾燥 |
(5) | 塗装 ※仕様によっては塗り重ねを行う |
(6) | 焼成 ※塗装・焼成を仕様の厚さになるまで繰り返す |
(7) | 製品検査 |
(8) | 納品 |
1-6.滅菌
河川や温泉の水質検査などのために、樹脂性のボトル・容器を滅菌したい場合、オーダーメイドで滅菌処理を依頼することが可能です。規格品として販売されている容器に対しても、諸条件に応じた最適な滅菌を施すことができます。
サンプラテックのオーダーメイドでは、以下の3種類の滅菌処理に対応しています。
EOG滅菌 | 処理時間がかかりエアレーションが必要だが、ほとんどの材質に適用できる |
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EB滅菌 | 適用材質が限られるが、透過性が高く処理時間が短いため、大量処理に向いている |
ガンマ線滅菌 | EB滅菌ほど処理時間は短くないが、透過力に優れ、高密度の製品も滅菌できる |
「プラスチック容器はどの方法で滅菌しても問題ない」というわけではありません。サンプラテックでは、容器の使用目的や樹脂の材質に応じて最適な滅菌を行うことが可能です。
1-7.洗浄
半導体分野・薬品分野で使用する内容物の保存など、クリーンレベルの高い容器が必要となる場合は、高精度の洗浄を施すこともできます。容器を洗浄することで、パーティクル・残留イオン・パイロジェンなどを取り除くことが可能です。
洗浄は、以下の手順で行います。
(1) | クリーンルーム内で容器内外を洗浄する |
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(2) | 容器に対してクリーンパックを施す |
サンプラテックでは、純水洗浄・化学洗浄など、プラスチック製ボトルを使用する目的に応じて最適な洗浄が可能です。また、クリーンパックについても二重・三重の包装を選択することができます。
2.サンプラテックの容器特注事例
最後に、サンプラテックの容器特注事例ならびに、同様の特注依頼が多く規格化に至った商品を紹介します。
1-1.「容器開発」と関連した商品 |
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「攪拌脱泡用に寸胴タイプの容器がほしい」という依頼から、金型から容器開発した事例です。同様の目的・形状の容器を希望する特注依頼が継続してあったことから、円筒型3.5L容量の容器が規格品となりました。 |
1-2.「容器加工」と関連した商品 |
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ボトルへの取手やコックの取付けなどは、容器加工の代表的な事例です。特に、大容量のボトル・容器への、取手やコックの取付け依頼が多かったことから、現在では規格化して販売を行っています。 |
1-3.「着色」と関連した商品 |
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着色の特注事例には、ペースト状電子材料運搬用の黒色容器や、化粧品製品用容器などを製造した実績があります。 |
1-4.「シルク印刷」と関連した商品 |
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容器の曲面であっても、美しく鮮明なプリントを施すことが可能です。上記の3点はサンプラテックのオリジナル製品ですが、シルク印刷により色分けすることで、製品や用途の区別を明確にすることができます。 |
1-5.「フッ素化処理」と関連した商品 |
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有機溶剤など極性の強い薬剤の廃液用容器の特注依頼があり、耐薬品性・ガスバリア性を高めるためにポリエチレン製タンクをフッ素化処理した事例があります。同様の特注依頼が多く、廃液用タンクとして規格化しました。 |
1-6.「滅菌」と関連した商品 |
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水質検査用の容器として、角型ボトルへの滅菌依頼が多くあり、角形滅菌採水瓶として規格化し、販売しています。 |
1-7.「洗浄」と関連した商品 |
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PFAボトルは、半導体分野など高いクリーンレベルが要求される場で使われることの多い容器です。PFAボトルの洗浄依頼が多かったことから、あらかじめ各種洗浄を施したPFAボトルを規格化し、販売しています。 |