2021.2.2 容器機能

ポリエチレンとポリプロピレンの違いは?種類や用途を徹底解説

ポリエチレンとポリプロピレンの違いは?種類や用途を徹底解説

大学の研究所や企業の開発・製造部門では、薬品や材料を適切に保存・保管するために、変質や劣化に強いプラスチック容器が必要となります。「ポリエチレン」と「ポリプロピレン」は、産業用保存容器によく用いられる代表的な素材です。

そこで今回は、ポリエチレン・ポリプロピレンの特徴や種類、ポリエチレンとポリプロピレンの違い、産業用容器を購入できる販売サイトを紹介します。産業用容器に使用される素材に関する基礎知識を身に付ければ、研究・開発・製造業務に役立つ適切な容器を選べるようになるでしょう。

 

1.ポリエチレンとは?

ポリエチレン(PE)とは、エチレンを多数重合反応させて作った安定性に優れた素材です。丈夫で衝撃に強いだけでなく、吸水性が低く耐薬品性に優れているという特徴を持つことから、日用品から産業用部品まであらゆる製品の素材として使用されています。

また、原価が安く簡単に加工できるため、製品を低コストで大量生産できるというメリットもあります。プラスチック素材には数多くの種類がありますが、ポリエチレンは生産量・使用量ともにトップクラスであり、現代社会にとって欠かせない素材のひとつです。

 

1-1.ポリエチレンの種類

ポリエチレンには、密度の違いで異なる特徴を持ち、複数の種類に分けられます。ポリエチレンの主な種類は、下記の通りです。

・低密度ポリエチレン
低密度ポリエチレンとは、エチレンを高圧状態に圧縮することで製造した、密度の低いポリエチレンのことです。「密度が低い」を意味する英語の「Low Density」を略し、「LDPE」と呼ばれることもあります。

低密度ポリエチレンは、密度の低さから柔軟性や透明性のほか、加工性にも優れており、低温でさまざまな製品に加工できます。また、多様な用途に使うことができるため、以下のような製品に多く用いられています。

  • マヨネーズやチューブアイスなどの容器
  • 牛乳パックや紙コップなどのラミネート素材
  • 輸液バッグやアンプルなどの医療用保管容器
  • ラップフィルム
  • ポリ袋

研究現場や製造工場などで使用されるポリエチレン製容器には、中栓に低密度ポリエチレンが使用されていることがあります。

・高密度ポリエチレン
高密度ポリエチレンは、低密度ポリエチレンとは対照的に硬さや耐熱性に優れている、密度の高いポリエチレンのことです。「密度が高い」を意味する英語の「High Density」を略し、「HDPE」と呼ばれることもあります。高密度ポリエチレンの特徴から、主に以下のような製品で用いられています。

  • レジ袋
  • シャンプーなどの容器
  • 薬品などの保存容器
  • ポリバケツ
  • コンテナ

丈夫で耐薬品性にも優れていることから、研究現場や製造工場などで使用されるポリエチレン製容器のキャップ・容器本体に高密度ポリエチレンが使用されています。

 

2.ポリプロピレンとは?

ポリプロピレン(PP)とは、プロピレンというガスを原料としたプラスチック素材です。数あるプラスチックのなかで最も軽量であり、耐熱性や耐衝撃性にも優れた素材であるため、食品包装から機械の部品まで幅広い製品に使用されています。

また、ポリエチレンと同様に加工性に優れているだけでなく、他の種類のプラスチックや無機系充填剤との混合にも適しています。ポリプロピレンは、ポリエチレンに次いで生産量・使用量が多いプラスチックであり、日常の身近なものに活用されている素材です。

 

2-1.ポリプロピレンの種類

ポリプロピレンは、プロピレンと他の素材の配合比率により、いくつかの種類に分けられます。ポリプロピレンの代表的な種類とその特徴・用途は下記の通りです。

・ホモポリマー
ホモポリマーとは、プロピレンのみを重合した、剛性や耐熱性に優れている素材です。食品用トレー・フィルム・シート・日用雑貨などに使われています。

・ランダムポリマー
ランダムポリマーとは、プロピレンに少量のエチレンを共重合して作られた素材です。透明性・柔軟性に優れており、透明折箱・透明ボトル・クリーニング袋などに用いられています。

・ブロックコポリマー
ブロックコポリマーは、ホモポリマーまたはランダムポリマーに微細なゴム成分を均一に分散した素材です。剛性・耐衝撃性・耐寒性が強化されており、その丈夫さを活かして、家電・自動車などの部品からコンテナ・冷凍用トレーまで幅広く活用されています。

 

3.ポリエチレンとポリプロピレンの共通点と相違点

プラスチック素材であるポリエチレンとポリプロピレンは、共通点だけでなく、相違点もあります。療法の素材を実際の業務に効果的に活用するためには、ポリエチレンとポリプロピレンの共通点・相違点を把握することが重要です。

ここでは、ポリエチレンとポリプロピレンの共通点・相違点をそれぞれ解説します。

ポリエチレンとポリプロピレンの共通点
  • 炭素と水素から形成されるポリマーである
  • 比重が1.0以下であるため、非常に軽量である
  • 吸水率0.01%以下と低く、素材として安定している
  • 容易に熱で溶解するため成形性が高く、安価に量産できる
  • 射出成形・押出成形・圧空成形・真空成形など幅広く対応可能
  • 絶縁体であるため、高周波材料としても適している
  • 無臭・無毒で扱いやすく、安全性に優れている
  • 接着性が悪く接着剤の使用にあたっては下地処理が必要となる

ポリエチレンとポリプロピレンはどちらも高い機能性を持つ安価な素材であるため、あらゆる用途に使用されている素材です。

ポリエチレンとポリプロピレンの相違点
  • ポリエチレンはポリプロピレンよりも耐熱温度が低い
  • ポリエチレンは半透明の乳白色であり、ポリプロピレンは無色透明に近い
  • ポリエチレンは柔らかく、ポリプロピレンは硬い性質を持つ
  • ポリエチレンは耐候性が高く、ポリプロピレンは耐候性が低い

ポリエチレンとポリプロピレンの特徴的な相違点は、素材としての耐熱性と透明性です。そのため、素材の特性を活かして使い分けられています。産業シーンなどで使う場合、内容物を確認したいかどうかや、滅菌処理をしたいかどうかなどで、選択する素材が変わります。

また、ポリエチレンよりもポリプロピレンのほうがブロー成形が難しく、成形を行える技術を有した工場が限られることも相違点のひとつです。そのため、ブロー成形で作られる容器の製品数は、ポリエチレン製が多くなっています。

このように、ポリエチレンとポリプロピレンの共通点・相違点は、両素材のメリット・デメリットにもつながります。したがって、用途に合わせた素材を選ぶためには、素材に関する基礎知識を身に付けることが重要です。

 

4.PEボトルやPPボトルを購入するなら「サンプラテック」

研究部門や開発部門、製造部門などにおいて、保管・保存用のPEボトルやPPボトルは欠かせない存在です。安全に実験や製造を行ったり、薬剤や材料を適切な状態で保管・保存したりするためには、容器の機能性や品質も重要となります。

実験・研究・製造現場で使用するPEボトルやPPボトルを探している場合は、サンプラテックのWeb販売サイト「PLA.com」でぜひご購入ください。サンプラテックでは、多種多様なプラスチック製ボトル容器を販売しております。ラインナップの中には、ポリエチレン製だけでなくポリプロピレン製のボトル容器もあります。

薬品や材料を適切に取り扱うことは、製品の開発・製造にも大きな影響を与えます。用途に合うプラスチック製ボトル容器を購入することで、開発・製造業務の効率を高められるでしょう。サンプラテックが運営する実験・研究・製造現場のプラスチック製ボトル容器専門サイト「IREMONO」では、PEボトルやPPボトルの技術情報をはじめとする詳細を掲載しているため、興味のある方はぜひご覧ください。

実験器具・機器メーカー販売サイト「PLA.com」