2023.12.7 IREMONOニュース

帯電防止・静電防止の違いとは?帯電防止機能が優れた樹脂製容器も紹介!

帯電防止・静電防止の違いとは?帯電防止機能が優れた樹脂製容器も紹介!

静電気は身近な現象として知られていますが、理化学分野(実験室・工場など)においては、火災などを引き起こす要因にもなる、注意すべき現象です。特に精密機械に対しても悪影響を与えることから、静電気対策(ESD対策)として、使用する容器なども帯電防止機能が優れたものを使用することが大切と言えるでしょう。

この記事では、静電気に関する用語として紛らわしい「帯電防止」「静電防止」の違いについて解説します。理化学分野で重宝する、帯電防止機能が付帯した樹脂製容器・ボトルも紹介するため、ぜひ参考にしてください。

 

1.帯電防止・静電防止の違いとは?

「帯電」とは、物体が電荷を持つこと(持たせること・持っている状態)を指します。一方で「静電」とは、静電気の略称として使用されることが一般的です。

出典:コトバンク「ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典」

出典:コトバンク「精選版 日本国語大辞典」

また、静電気防止策には、帯電の防止(導電化・除電)を始め、接地(アース)、湿度を上げる、などの方法があります。そのため上記の定義・説明に沿うと、帯電防止・静電防止の違いは、「静電気(静電)を防止するための対策(静電防止)の一つが帯電防止」と考えることができるでしょう。

 

1-1.電気抵抗値による性質の違い

電気抵抗値によって帯電のしやすさが異なるため、帯電(・静電)について理解する際には、以下の表のように、電気抵抗値レンジと併せて把握すると分かりやすいです。

  電気抵抗値の目安 性質
絶縁域 10¹¹Ω~電気を流さない・帯電しやすい
帯電防止域 10¹¹Ω~10⁹Ω帯電するが減衰しやすい
導電域 10⁹Ω~10³Ω帯電しにくい・静電気を素早く逃がす
10³Ω~帯電しない・放電しやすい

なお、電気抵抗値が10¹¹Ω~10⁵Ωのものは「静電気拡散域」と呼ばれることもあります。

理化学分野で広く使用されている樹脂製容器は、電気絶縁性が高いため、基本的に帯電しやすい傾向にあります。サンプラテックでは、湿度に依存しない「ポリマー型帯電防止剤」を使用した、「ポリエチレン製帯電防止容器」を取り扱っているため、ぜひ併せてチェックしてみてください。

 

1-2.主な静電気対策加工技術2つ

静電気対策加工技術として、主に「帯電防止剤」と「カーボン材」の2つが挙げられます。

■帯電防止剤

帯電防止剤とは、絶縁体に導電性が少しだけ付与された薬剤で、静電気の蓄積を防止する効果があります。素材自体に添加することが可能で、比較的安価な加工方法である点が特徴です。

一方で、帯電防止効果は湿度に影響し、使用期間が長くなるにつれ帯電防止効果が低くなっていくというデメリットもあります。現在では、湿度の影響や帯電防止効果の逓減を抑えるために、イオン電導物質が導入された「高分子型帯電防止剤」なども使用されています。

■カーボン材

カーボン材は、主に電子部品の包装材料や燃料タンク、コピー機の除電ロールなどの静電気防止材として使用されます。導電性のカーボン粒子(カーボンブラック)が練りこまれ、湿度に依存せず静電気を逃がすことが可能です。

一方で、黒色であることから透明性がなく、帯電防止剤よりもコストがかかる点がデメリットと言えます。

 

2.静電気防止用の主な包装物3つ

静電気は、揮発性ガスなどと合わさることで火花放電や火災を引き起こす恐れがあります。そのため理化学分野において防爆対策は、非常に重要な課題です。

ここでは、静電気防止用の主な包装物として、帯電防止・導電性・静電気シールド性の包装物について紹介します。

 

2-1.帯電防止の包装物

帯電防止の包装物は主に2種類あり、「帯電防止剤が包装物に練りこまれているタイプ」と「包装物自体に帯電防止効果があるタイプ」に分かれます。

■帯電防止剤が包装物に練りこまれているタイプ

帯電防止剤とは界面活性剤のことであり、界面活性剤が空気中の水分における親水基を吸収することで、包装物に水の被膜ができます。その被膜により静電気が拡散されるというメカニズムです。

■包装物自体に帯電防止効果があるタイプ

界面活性剤を使用していないため、樹脂が劣化しない限り半永久的に帯電効果があるタイプです。導電物質を樹脂内に分散させることで、静電気を逃がすことができる仕組みになっています。帯電効果が続くことから、電子部品などの精密機器を包装する際に最適でしょう。

 

2-2.導電性の包装物

樹脂にカーボンブラックが練りこまれたタイプの包装物です。樹脂内に導電回路が形成されることで、静電気を逃がすメカニズムとなっています。

包装されるもの自体が帯電しやすい場合に使用されることが多く、静電気を瞬時に放電することが可能です。

 

2-3.静電気シールド性の包装物

静電気シールド性の包装物は、帯電防止材料・絶縁性材料・導電性材料などからなる多層構造で、包装物の内部だけでなく外部で発生した静電気放電も防げる点が特徴です。

中間層にある絶縁体によって、外部からの電流侵入を防ぐことができます。また、導電性材料も使用されていることから、帯電体が接触しても包装物の中に静電気が発生しません。ただし、帯電防止の包装物や導電性の包装物と比較し、ややコストが高い点に注意しましょう。

 

3.帯電防止機能が優れた樹脂製ボトル・容器

サンプラテックでは、帯電防止機能が優れた樹脂製容器を取り扱っております。通常の樹脂製容器から、帯電防止容器に変えることで、埃・塵などが付着しにくくなるだけでなく、防爆対策に繋がる点もポイントです。

ここでは、3つの帯電防止容器についてご紹介します。

■サンプラ(R)帯電防止PEボトル広口

サンプラ(R)帯電防止PEボトル広口

「サンプラ(R)帯電防止PEボトル広口」は、樹脂製容器の静電気対策に最適なボトルです。特に粉体を保管するのに適しており、静電気による壁面付着を防止できます。

また、サンプラ(R)帯電防止PEボトル広口には特殊なポリマー型帯電防止剤が使用されているため、半永久的に帯電防止効果を期待できる点も特徴です。業界初の帯電防止機能付き樹脂製容器として、多くの理化学現場で使用されています。

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■帯電防止PEディスカップ

帯電防止PEディスカップ

静電気対策・防爆対策が可能なディスカップをお探しの場合は、「帯電防止PEディスカップ」が最適です。

サンプラ(R)帯電防止PEボトル広口と同様の帯電防止機能はもちろん、サンプルとして購入するために1本からの注文も承っております。内容物における絶縁破壊やパーティクル付着を防げるディスポカップとして、ぜひお試しください。

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■サンプラ(R) 帯電防止丸型洗浄瓶

サンプラ(R) 帯電防止丸型洗浄瓶

「サンプラ(R) 帯電防止丸型洗浄瓶」は、本体からキャップ、ノズルまで全てが帯電防止仕様になっている洗浄瓶です。

洗浄瓶は、溶液を調整・希釈する際に使用する実験器具の洗浄など、実験現場に欠かせない容器です。しかし、防爆対策ができる洗浄瓶はあまり多く流通していないのが現状と言えます。サンプラテックでは、500ml広口サイズで1本から販売しておりますため、ぜひご利用ください。

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まとめ

一般的に、帯電防止とは「物体が電荷を持つことを防ぐこと」、静電防止は「静電気を防止すること」を指します。静電気防止には複数の手段があるため、静電気防止策の一つが帯電防止と考えると分かりやすいでしょう。

特に理化学分野において静電気対策は、火花放電を防ぐためにも非常に重要な課題です。サンプラテックでは、帯電防止機能が優れた樹脂製容器を取り扱っているため、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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