2021.10.1 容器紹介

サンプリング容器の選び方&理化学シーンで使う樹脂製容器

サンプリング容器の選び方&理化学シーンで使う樹脂製容器

サンプル採取や試薬・試料調製や検査のほか、材料の調査・分析に欠かせないサンプリング容器にはさまざまな材質・形状があります。しかし、現場における用途や内容物に合わせたサンプリング容器を選びたいものの、数ある商品のなかからどのような商品を選べばよいか迷う方もいるでしょう。

当記事では、材質別のサンプリング容器の選び方と、代表的な「ネジ蓋式」「押し蓋式」の樹脂製サンプリング容器の特徴・各シーンに適した商品を紹介します。サンプリング容器の種類や特性などを把握し、商品選びに役立ててください。

 

1.サンプリング容器の選び方

サンプリング容器と一口に言ってもさまざまな材質があります。ここでは、代表的な3つの材質について特徴や使用シーンを解説します。

■樹脂製

樹脂製サンプリング容器は、低コストで加工が容易であることから、さまざまな形状・厚み・目盛り付きに対応できます。中蓋・中栓がなくても密閉性を保持できる商品が多く、開閉の手間が少ないため、作業をスムーズに行うことが可能です。

試作サンプルの保管以外にも、塗料や使いかけの薬品の保管、溶剤に漬けた検体や標本の保存、醤油など食品の小分けにも適しています。

■ガラス製

ガラス製サンプリング容器は透明度・耐薬品性に優れており、変形やキズにも強いことが特徴です。テスト試料や塗料の保管のほか、砂・鉱物などの固形物の容器としても支持されています。また、高級感があるため、液体や粉末状の化粧品サンプルなど、見栄えを要する商品の試作や提案・展示にも適しているでしょう。

■ステンレス製

ステンレス製サンプル容器は、樹脂製やガラス製のサンプル容器では実現しにくい、耐衝撃性・耐熱性・遮光性を備えています。サンプルの長期保管用や経年変化の観察用に適しているだけでなく、試薬の長距離搬送や光化学反応物質などの保管にも向いています。

以上のように、サンプル容器は材質によって特徴が異なります。サンプリングする試料や、何を検査するかによって、最適な容器を選択することが大切です。

 

2.「ネジ蓋式」のサンプリング容器の特徴

サンプリング容器は「ネジ蓋式」と「押し蓋式」の2種類に分けられます。本体上部と蓋の内側にネジ溝が刻まれたネジ蓋式のサンプリング容器は、押し蓋式に比べて密閉性が高く、液体のサンプリングに向いていることが特徴です。

以下では、理化学系の実験や製造現場のほか、より精度が求められる菌・金属イオン検査の現場で活躍するサンプリング容器を合計6種類紹介します。

 

2-1.理化学シーンで使用頻度の高いサンプリング容器

理化学シーンでは、次のようなネジ蓋式のサンプリング容器が広く使用されています。材質・透明度・サイズ・形状などから適切なものを選ぶとよいでしょう。

■スチロール容器C型(捻蓋式)

スチロール容器C型(捻蓋式)

「スチロール容器C型(捻蓋式)」は、樹脂のなかでも透明率が高く耐候性に優れたスチロール(ポリスチレン)製のサンプリング容器です。ただし、キズに弱く耐熱性も60~80度程度であることには注意が必要となります。サイズは140~600mlの4種類の展開です。大容量保存にも適しており、大量注文にも対応しています。

商品詳細を見る

■ネジカップ

ネジカップ

「ネジカップ」は、底面よりも開口部の直径が大きい、カップ型のサンプリング容器です。本体が透明度の高いポリスチレン製であるため、上からだけでなく横からの内容物確認もしやすいでしょう。なおポリエチレン製の蓋は、滑り止めの凸加工により開閉がしやすいという特徴もあります。

サイズは100~600mlの8種類の展開であり、10個セットの販売となっています。

商品詳細を見る

■サンプルパック

サンプルパック

「サンプルパック」は、ポリプロピレンのなかでも透明度の高い素材を使ったサンプリング容器です。ポリプロピレンは樹脂のなかでも比重が小さい、つまり軽量であることが特徴であり、耐熱性にも優れます。ただし、耐光性や耐摩耗性が低い傾向にあるため、内容物や管理環境には注意が必要です。

本体底面と蓋上部がスタッキングに対応しており、積み重ねて保管できます。サイズは260mlと500mlの2種類です。

商品詳細を見る

■サンプリング容器

サンプリング容器

「サンプリング容器」は、高さ88mm・口径25mmのポリプロピレン製ネジ蓋式容器です。蓋にスプーンが付属するタイプを選ぶこともできます。商品は1,000個単位の販売となり、大量のサンプル採取・保管などに最適です。側面にラベルを貼ると、管理が容易となります。蓋は白色で、側面には開閉しやすい溝加工が施されています。

商品詳細を見る

 

2-2.菌・金属イオンの検査に必要なサンプリング容器

理化学シーンでは、サンプルが変質しないような対策が厳しく求められるケースも多くあるでしょう。ここでは、特殊な内容物を適切に保管できる2つのサンプリング容器を紹介します。

■EOG滅菌瓶(PE広口)

EOG滅菌瓶(PE広口)

「EOG滅菌瓶(PE広口)」は、あらかじめEOG滅菌を施した乳白色のサンプリング容器です。微生物を含む水質検査など、正確な検査が求められるシーンで活躍します。商品は、一つずつ個包装された状態で納品するため、滅菌袋から出してすぐに使用可能です。サイズは100ml~1Lの4種類展開であり、素材はポリエチレン製で中栓付きです。

商品詳細を見る

■サンプラ(R)PFA広口ボトル(中栓なし)

サンプラ(R)PFA広口ボトル(中栓なし)

「サンプラ(R)PFA広口ボトル(中栓なし)」は、フッ素樹脂の一種であるPFA製のサンプリング容器です。フッ素樹脂は耐熱性・耐寒性に優れているだけでなく、耐薬品性が非常に強いことも特徴です。

容器の変質や溶出物による汚染の心配がないため、微量の分析を行う場合はPFA製の容器が必要となります。1点1点外観検査の上、高い品質の商品を個包装した状態で納品します。

商品詳細を見る

 

3.「押し蓋式」のサンプリング容器の特徴

「押し蓋式」のサンプリング容器は、本体上部に蓋をはめ込む形状の容器で、粉状・ペースト状・液体のサンプリングに利用可能です。本体に蓋の下部を押し込み容器を閉じるタイプと、蓋に刻まれた溝に本体の上部をはめ込むタイプ、いわゆる「シール容器」の2種類にわかれ、前者のほうが密閉性に優れています。

両方とも開閉が容易であるものの、ネジ蓋式に比べ密閉性が低いため、液体を入れる場合は液漏れに注意が必要です。

 

3-1.理化学シーンで使用頻度の高いサンプリング容器

ここでは、理化学シーンで使われる押し蓋式のサンプリング容器を3種類紹介します。容器の形状や、内容物の特性・用途に応じて適切な商品を選ぶことがおすすめです。

■スチロール容器A型(押蓋式)

スチロール容器A型(押蓋式)

「スチロール容器A型(押蓋式)」は、透明度が高く、横から内容物を確認しやすい円筒型のポリスチレン製の容器です。蓋を本体上部に押し込む形状であり、蓋の側面には溝加工が施されているため、開閉が容易となっています。

サイズは5~500mlの13種類と幅広く、特に小型の容器が充実しています。また、スタイリッシュなデザインであることから、さまざまな用途に活用できるでしょう。

商品詳細を見る

■メジャーシール(PPパック目盛付)

メジャーシール(PPパック目盛付)

「メジャーシール(PPパック目盛付)」は、ポリプロピレン製のカップ型ディスポーサブル(使い捨て)サンプリング容器です。透明度が高く、耐熱性・耐薬品性に優れており、メモリも付いているため、水質検査や尿検査などにも幅広く利用できます。サイズは200ml(700個入り)と300ml(500個入り)の2種類展開となっています。

商品詳細を見る

■シール容器(丸型)

シール容器(丸型)

「シール容器(丸型)」は、平たい円筒型のサンプリング容器です。本体はポリスチレンでできており、横からも一目で見やすく、固形サンプルや部品などの保管に向いています。蓋はポリエチレン製であり、溝に本体上部をはめ込む仕様です。サイズは50ml~1.4Lの12種類の展開となっており、高さ寸法にもバリエーションがあります。

商品詳細を見る

 

まとめ

サンプリング容器は、樹脂製容器・ガラス製容器・ステンレス製容器など、素材によって特性が異なります。また、樹脂製サンプリング容器のなかでも、ポリスチレン製・ポリエチレン製など材質によって透明度や耐薬品性・耐熱性が異なることにも注意が必要です。

また、「ネジ蓋式」「押し蓋式」など蓋の形状によっても、密閉度が異なり用途も変化するでしょう。サンプリング容器を選ぶ際は、素材と内容物・用途の相性をあらゆる角度から吟味することが大切です。

「IREMONO」は理化学シーンで使われる樹脂製容器に関する専門サイトです。サンプリング容器に使われる樹脂についての情報も充実しているため、ぜひご活用ください。

実験器具・機器メーカー販売サイト「PLA.com」