2021.6.4 容器機能

プラスチックの耐候性とは?耐候性の高い樹脂製容器も紹介

プラスチックの耐候性とは?耐候性の高い樹脂製容器も紹介

ものづくりの現場や大学の研究室、企業の開発・製造部門では、樹脂製容器を使う機会が多くあります。樹脂製容器の耐候性は素材によって異なるため、基礎知識を理解したうえで、用途に応じた製品を選ぶことが大切です。

この記事では、樹脂(プラスチック)の耐候性の意味と、劣化時に見られる症状、優れた耐候性がある代表的な樹脂の種類について解説します。高い耐候性を持つおすすめの樹脂製容器も紹介するため、用途に応じた製品を選ぶための参考としてください。

 

1.樹脂(プラスチック)の耐候性とは?

樹脂の耐候性とは、光や温度、湿度などの変化に対する耐性を意味します。より簡易的な表現を使用すると、「樹脂が気候・環境の変化にどの程度まで耐えられるか」を測るための基準が耐候性です。

屋外で使用する樹脂製品は、紫外線や雨の水分など、さまざまな刺激を受けます。樹脂の耐候性を正しく把握することは、製品の寿命を予測したり用途に合う素材を選んだりするために重要な要素です。

 

1-1.樹脂が劣化する原因と症状

樹脂を劣化させる原因には、さまざまな要素があります。たとえば、以下のような要素が、樹脂が劣化する主な原因です。

  • 紫外線
  • 水分、湿気

上記のような刺激を受けることで発生しうる症状には、以下のような内容が挙げられます。

変色 樹脂製品の外観が白や黄色に変化する症状
硬化 樹脂製品の硬度が変化し、機能性に影響が出る症状
変形 樹脂製品の形状が変化し、縮みやひび割れ、欠けなどが生じる症状

耐候性の高い樹脂は、紫外線や湿気などの影響を受けにくく、変色・硬化・変形などのトラブルを起こすリスクが低いといえます。そのため、紫外線や湿気などに留意する必要のある用途で樹脂製品を使用する場合、素材選びの基準に耐候性を加えることで、使用時の劣化トラブルを回避することができます。

完成した樹脂製品の耐候性の高さは一般的に、屋外曝露試験や促進曝露試験などによって確認します。屋外曝露試験とは、樹脂製品を屋外環境に置き、劣化速度や状態変化を確認する試験です。促進曝露試験とは、劣化を招く環境を人工的に作り出すことによって、樹脂製品の寿命などを測る試験を意味します。

 

2.耐候性が高い樹脂(プラスチック)

耐候性が高い樹脂の代表例は、PTFE・PFA・アクリルです。ポリカーボネートやポリ塩化ビニルも耐候性が高く、外部環境の変化によって性質が変化しにくい樹脂に該当します。耐候性が高い樹脂は種類によって特徴が異なるため、用途や期待する寿命などに応じて適切な素材を選ぶことが大切です。

以下では、耐候性が高い樹脂の種類別に特徴や用途例を紹介するため、製品の素材を選ぶ際の参考にしてください。

 

2-1.PTFE

PTFEとは、スーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)に分類される高機能樹脂の一種です。PTFEは耐熱温度が非常に高く、自己潤滑性にも優れた樹脂です。また、PTFEは以下のような特徴も持ちます。

  • 他の物質と化学反応を起こさず、すべての溶剤に溶解しない
  • 吸水がゼロであるため、雨に強い

PTFEは主に、各種電気部品やノズル、ガスケット、パッキンなどの材料として使われます。フライパンや大規模な建造物のコーティングに使用されるケースも見られ、汎用性の高い素材の一つです。

 

2-2.PFA

PFAとは、PTFEと同等の特性を持つフッ素樹脂です。PFAの特徴は、以下のような内容です。

  • -200度から260度までの温度に対応できる
  • 酸性、アルカリ性のいずれにも強い
  • 溶接加工や成型が可能である

PFAは、酸・アルカリのいずれに対しても高い抵抗性を持つうえに、耐薬品性も優れているため、半導体分野で使われることが多くあります。耐熱性が高いという特徴から、自動車部品の素材に使われることも多く、ベアリングや自動変速機のシール剤などに採用される種類の樹脂です。

 

2-3.アクリル

アクリルとは、極めて高い透明性を持つ樹脂です。無機ガラス並みの透明度を持つものも存在し、水族館の水槽や光学レンズ、液晶ディスプレイの保護フィルムの素材などに使用されます。また、アクリルには以下のような特徴もあります。

  • 成型加工の自由度が高く、さまざまな形状に変えられる
  • 耐衝撃性が強く、ガラスのように砕け散ることはない

さらに、アクリルは高い耐候性も持ちます。そのため、道路標識や電飾看板のカバーなど屋外に設置するもののほか、ヘッドランプカバーやメーターカバーなど自動車部品の素材として使われることもあります。

 

2-4.ポリカーボネート

ポリカーボネートとは、樹脂の中でもトップレベルの耐衝撃強度を持つ樹脂です。ガラスと同程度の透明性を持つ樹脂でもあり、カメラレンズや自動車のヘッドランプなどの材料として使われます。また、ポリカーボネートは以下のような特徴も持つ樹脂です。

  • 紫外線に強く、屋外使用に適している
  • −40度から−125度までの温度に耐えられる
  • 着火しても自然消火する

ただし、ポリカーボネートは有機溶剤や界面活性剤に弱い樹脂です。ポリカーボネート素材の製品にアルカリ性の洗剤などをかけると、ひび割れ・変形を起こすリスクがあります。

 

2-5.ポリ塩化ビニル

ポリ塩化ビニルは、「PVC」や「塩化ビニール(塩ビ)」という呼び名で知られる合成樹脂です。ポリ塩化ビニルは加工性が極めて高く、五大汎用樹脂として、家電製品の部品・食品容器の素材に多く使われています。ポリ塩化ビニルの特徴は、以下のとおりです。

  • 非常に軽く、丈夫である
  • 優れた耐薬品性を持ち、酸やアルカリの影響を受けにくい
  • 酸性土壌による腐食を起こしにくい

ポリ塩化ビニルの工業用途としては、上下水道管のパイプや電力線の素材、建築資材、工業資材などが代表例です。医療分野においては、輸血チューブの素材に採用されることがあります。

 

3.耐候性の低い樹脂(プラスチック)|保管時の注意点

PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)、TPX®(ポリメチルペンテン)は紫外線に弱く、耐候性の低い樹脂です。耐候性の低い樹脂を保管する際には、以下のポイントに注意しましょう。

  • 室内で常温保存する
  • 直射日光の当たる場所での保管を避ける
  • 水漏れや異物付着を避ける

また、樹脂を保管する際にはメーカーの定める期限を守ることも大切です。メーカーの定める期限を大幅に超えるほどの長期間の保管は避けてください。

※TPX®は三井化学株式会社の登録商標です

 

4.優れた耐候性を持つ樹脂製容器は?

サンプラテックでは、耐候性が高く、紫外線にも強い樹脂製容器を扱っています。

■フッ素樹脂容器

耐候性の高い樹脂製ボトル容器の代表例は、フッ素樹脂製ボトルです。サンプラテックのPFAボトル・PTFEボトルは、いずれも高い耐薬品性を持ちます。そのため、高純度試薬の保存容器や半導体製造用のフッ化水素酸容器として使うことが可能です。

■遮光容器

紫外線に強いボトル容器を探す人には、遮光容器をおすすめします。褐色版の樹脂製容器で、光を通しにくいという特徴を持つ製品です。遮光容器は主に、次亜塩素酸水など光によって変性する薬液、光硬化性を持つ接着剤や塗料などの保存容器として活用されています。サンプラテックの遮光容器は、中波長の紫外線・可視光領域内の可視光線の透過率がほぼ0%です。そのため、光分解性のある化粧品原料などの保存容器として使うこともできます。

サンプラテックは、プラスチック製ボトル容器の製造に60年以上の経験と実績があります。樹脂製容器の質は高く、製造現場や研究現場など、品質を求められるシーンでも安心して使用することができます。

 

まとめ

樹脂の耐候性とは、気候や環境の変化などに対する耐性を意味します。耐候性の高い樹脂の代表例は、PTFEやPFA、アクリル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルです。

サンプラテックでは、さまざまなサイズ・形状の樹脂製ボトルを扱っています。優れた耐候性を持つフッ素樹脂製ボトルや紫外線に強い遮光容器も提供しているため、用途に応じた樹脂製ボトルを選ぶことが可能です。優れた耐候性を持つ樹脂(プラスチック)製容器を購入したいときは、ぜひサンプラテックの製品をご検討ください。

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